子どもが幼児食を食べてくれない…年齢別の対処法や食育の基本について解説!

子どもが幼児食を食べてくれない...年齢別の対処法や食育の基本について解説! 子育て

「子どもがなかなか幼児食を食べてくれない…。」このような悩みを抱えるお母さん、お父さんは少なくありません。

本記事では子どもが幼児食を食べてくれないときの年齢別対処法や食育の基本について、わかりやすく解説していきます。

幼児が食べ物を選ぶ理由

幼児が食べ物を選ぶ理由に「イヤイヤ期」や「偏食」が関係していることがあります。これは誰もが成長とともに訪れるものであるため、「うちの子だけなのではないか」と悩む必要はありません。
以下で詳しく説明していきます。

成長と好奇心の関係

2~3歳になると一人でできることが増えてきます。いわゆる「イヤイヤ期」に突入します。この時期に無理やり食べさせようとすると、イヤイヤが発動し余計に食べなくなることがあります。

またこの時期はなんでも自分でやってみたいという好奇心が高まる時期でもあります。そのため食べさせてあげようとすると余計に嫌がることがあるでしょう。

NGなのは、無理やり食べさせようとすることです。
このような行動は、子どもに食事は楽しくないものという印象を与えてしまいます。食べられるものが増えるのと同じで、食べないものが増えることはおかしなことではありません。
子どもの成長の証と捉えて、焦らず向き合う必要があります。

好き嫌いの形成過程

子どもが食べ物を選ぶ理由に、好き嫌いの形成が関係していることがあります。とくに4歳を過ぎるとこのような傾向が顕著になるでしょう。
この時期になると、以前食べて好みでなかったものを記憶し、次にそれが出された際、拒否します。

また、初めての食べ物を目にすると警戒心がはたらき、口にすることを拒否することがあります。他にもお母さんお父さんが偏食ぎみだと、子どもも偏食になることが多いです。
なるべく子どもの前では好き嫌いを見せないようにするとよいでしょう。

年齢によってご飯を食べてくれない理由は異なる

子どもがご飯を食べてくれない理由はさまざまです。こうした理由は年齢によっても大きく異なります。それぞれの時期の成長過程との関連性が高いことがほとんどであるため、心配しすぎる必要はありません。

ここでは、年齢別にご飯を食べてくれない理由について解説します。

1歳児がご飯を食べてくれない主な理由

1歳児がご飯を食べてくれない主な理由は、「食べ物に対する警戒心が強い」ためです。

子どもは1歳前後になると、とりあえず何でも口に入れて「これは、食べることができる安全なものだ」という経験を重ねることで、段々と食べられるものが増えていきます。

その過程で食べ物に対する警戒心が高まり、少しでも食感や香りに違和感があると本能的に危険を感じて吐き出してしまうことが多いのです。

また、こまめな間食や授乳などにより食事のリズムが整いにくく、お腹が空いていないためご飯を食べないという理由も考えられます。

▼詳しく知りたい方はこちら

2歳児がご飯を食べてくれない主な理由

2歳児がご飯を食べてくれない理由は、イヤイヤ期が大きく関係しています。

この時期の子どもは、自我が芽生えることにより日常の様々な場面で反抗することが増えます。食事の味付けはもちろん、色や形、硬さ、温度などが少しでも気に入らないと一切食べてくれなくなることもあります。

また、発達の個人差が開く時期でもあるため、用意したご飯が発達状況と合っていないことも食べない理由として考えられます。咀嚼力と嚥下力がまだ弱い子どもも多いため、発達状況に応じたご飯を作ることが大切です。

▼詳しく知りたい方はこちら

3歳児がご飯を食べてくれない主な理由

3歳児がご飯を食べてくれない理由は、味覚などの発達により食べ物の好みがはっきりしてきたためであることが多いです。

この時期の子どもは、味覚はもちろん知能や記憶力の発達が目覚ましく、好きな味や苦手な味を記憶したりそのことを伝えたりする能力が備わってきます。そのため、好き嫌いが増え、食べられるものが減ってしまうことがあるのです。

また、様々な物事への興味関心が強まることにより、遊ぶことなど食べること以外への興味の方が強くなり、ご飯を食べる意欲が減ってしまうこともあります。

▼詳しく知りたい方はこちら

4歳以降でご飯を食べてくれない理由

4歳以降でご飯を食べてくれないのは、好き嫌いに加え、食事に集中できないことが原因であることが多いです。

食事に集中できない理由は、日中の活動などで疲れてしまい食べる気力が沸かなかったり、食べきれない量のご飯を提供されてプレッシャーを感じたり、食べる意欲を失ってしまうことが考えられます。そもそも、食べることそのものに関心が薄い可能性も考えられる要因の一つです。

年齢が大きくなるにつれて睡眠や食事などの生活リズムが乱れ、食事の時間になってもお腹が減らないことも理由の一つとして挙げられます。

【年齢別】幼児食を食べてくれないときの対処方法

子どもがご飯を食べてくれないと焦ったりイライラしてしまうお母さんお父さんも少なくないでしょう。しかしある程度対処法を知っていれば、冷静に対応できます。
ここでは幼児食を食べてくれないときの対処方法をお伝えします。

1歳児への対処法(離乳食含む)

1歳児への対処方法のポイントは次のとおりです。

好きに食べさせる

1歳児になるとなんでも「自分でやってみたい」という好奇心が芽生え始めます。手づかみ食べが始まる時期もこの時期です。子どもはこのような好奇心を通し、食べ物について学んでいきます。
この時期は食べ方などを気にせず、好きに食べさせてあげればよいでしょう。

食べやすいよう調理する

1歳児は噛む力が十分にありません。そのため固すぎるものはうまく咀嚼できず食べようとしないでしょう。とくに肉類はこの時期の子どもにとって食べ辛いものです。対策として片栗粉でとろみをつけるなどの工夫が必要です。また調理の際は、お母さんお父さんが子どもが噛める固さであるかどうか確認しましょう。

食事に集中させる

1歳児は遊びと食事の区別がつけられません。食事中であっても気になる対象があれば、そちらに意識がいってしまいます。おもちゃは綺麗に片付けてから食事に移行したり、声かけをするなど、子どもが食事に集中できるよう工夫する必要があります。

生活リズムを整える

生活リズムが不規則だと、食事の時間になってもなかなか空腹にならずご飯を食べません。昼寝を含む睡眠時間をしっかりと確保し、昼は外で思いっきり遊ばせることが重要です。身体を動かすことで自然とお腹も空き、スムーズに食事できるようになります。

2歳児への対処方法

次に、2歳児への対処方法のポイントは次のとおりです。

ゆっくりと時間をかける

2歳児が食べない理由として、イヤイヤ期との関連性が高いと考えられます。この時期は一人でできることが増える時期です。
一方で「食べなさい」といわれると余計に「食べない」となってしまいます。これに対し一方的に叱ったりすると長引く可能性が高いでしょう。

時間はかかってしまいますが、どれなら食べられそうか子ども自身に選択させましょう。焦らずゆっくりと食事を進められれば問題ありません。

環境を工夫する

この時期の子どもは、さまざまなものに興味や集中を奪われやすいです。テレビがついていたり部屋が散らかっていると、そちらに意識がいき食事の手が止まってしまいます。
そのためテレビは消してから食事する、食事前におもちゃは片付けるなど、環境面に配慮するようにすると効果的です。

3歳児への対処方法

次は、3歳児への対処方法のポイントを見てみましょう。

子どもが使いやすい食器を使用する

3歳児はまだまだ噛む力が弱く、大人に比べ食べ物を食べ辛いです。そのため使用する食器の使いやすさによって、食事のスムーズさが変わることがあります。

食器には木製、プラスチック製、シリコン製などさまざまです。子どもがどの食器でならスムーズに食べられるか、色々と試してみましょう。

食器以外にも食事中に使用する椅子も気にかけるのもおすすめです。このとき子どもが姿勢よく食事できるような椅子を選ぶことが重要になります。

盛り付けすぎない

ついたくさん食べてほしいという想いから、多く盛り付けてしまうことがあります。しかし、食べ物を残してしまう経験が子どもに「食事は楽しくないもの」という印象を与えてしまうことがあります。反対に「全部食べられた」という経験が自信になり、食事を好きになるきっかけとなることもあるでしょう。そのため子どもが食べられる量を盛り付けてあげる必要があります。

褒めてあげる

食事中の子どもへの声掛けは非常に重要です。一口食べられれば「すごい!」「えらい!」などのように褒めてあげましょう。このようにして、食事を子どもにとって楽しくかけがえのない時間にしていきます。

4歳児への対処方法

最後に4歳児への対処方法のポイントを解説します。

好き嫌いを理解する

このくらいの年齢になると好き嫌いが出てきます。この場合は一方的に叱るのではなく、どうして嫌いなのか子どもの意見に耳を傾けます。味が嫌いなのであれば味付けを変えたり、食感が苦手なのであれば形態を変えるなど工夫してみましょう。

体調面を気にかける

幼稚園や保育園での疲れから、食事ができないという理由も考えられます。このような場合、無理に食べさせることはストレスになります。

幼稚園や保育園などの集団生活は、子どもにとって想像以上に体力を要するものです。子どもの状態をよく観察し、疲れているようであれば一旦休ませてあげることも重要です。

おすすめの食器や食材

子どもにとって食器や食材は具体的にどのようなものがよいのでしょうか。ここではおすすめの食器や食材について解説します。

幼児向けの食器の選び方

幼児向けに食器を選ぶ際は、まず危険性のないものを選ぶことが重要です。
とくにフォークのような先が尖っている食器は、プラスチック製や木製など子どもがけがをしないような素材のものがおすすめです。

また、お皿はふちがしっかり目で、ある程度深さがあるものがよいでしょう。浅いお皿は食べ物をこぼしやすいです。ほかにもスプーンは先がしゃもじ型で食べ物を乗せやすい深さがあるものがおすすめです。

詳しくは別の記事で説明しているので参考にしてください。

安全で美味しい食材の選び方

安全で美味しい食材としてアレンジしやすいうどん、免疫力を高める緑黄色野菜、腸内環境を整える海藻類などがおすすめです。野菜を選ぶ際は、生産者の顔や名前がわかるものを選ぶと安心です。

食品添加物は気にしすぎるとお母さんお父さんの負担が大きくなります。無理のない範囲で加工食品を控え、手作りを心がけましょう。すべてを手作りしたり、添加物0を目指すことは難しいです。そのため添加物の量を減らすことを意識し、薄味で調理することをおすすめします。

添加物に関しては別の記事でも解説しているので、そちらもぜひご覧ください。

食育の重要ポイント

子どもの成長や今後の食習慣にとって非常に重要な食育。どのように行うべきなのか不安に思うお母さんお父さんも多いでしょう。食育にはいくつか重要なポイントがあります。
ここでは食育の重要なポイントについて説明します。

食の基本を学ぶ

まずは親子で食の基本を学ぶことが重要です。なるべく早いうちから食育の基本を学び、重要性を理解する必要があります。

なぜなら、一度身についた食習慣や考えを成長したあとに改めるのは非常に難しいからです。食の基本を学ぶことで、健康的な暮らし、精神的な安定、学力や体力の向上が叶えられます。
何よりこれらを親子で一緒になって学ぶことが重要です。

家族との食事の時間

食事はただ栄養を摂取するだけのものではありません。家族との食事の時間は、食育を語るうえで欠かせないものです。食卓は家族のコミュニケーションの場であり、食事を楽しいものと子どもに実感させるために非常に重要です。

また、一人で食べるよりも、誰かと共に食事することで食のマナーや料理についての関心が自然と高まります。

子どもが一人で食事する「孤食」は栄養の偏り、肥満、社会性の低下などさまざまな問題につながります。できる限り家族で食事する時間を大切にしましょう。

食材の選び方と調理の楽しさ

食育において、食材の選び方や調理の楽しさを伝えることは非常に重要です。とくに食材には、一番おいしくて栄養価が高い「旬」があります。
その他にも季節のイベントに合わせた料理を楽しむことも食への関心を高めます。

時間があるときは親子一緒に調理することも効果的です。食材の選び方と調理の楽しさについては、
別の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

感謝の心を持つこと

食育では食物を大事にし、食に関わる人々に対する感謝の心を持つことの重要性を伝えます。食べ物を食べられることは当たり前ではないことを、子どもに教えます。そうして感謝して食べるよう指導していきます。

感謝の心を持てれば、「いただきます」「ごちそうさま」などの食事の挨拶も自然にできるようになるでしょう。同様に食物を粗末にしてはいけないという意識も芽生えます。

子どもへの理解を深めつつ、無理のない食育を

子どもがご飯を食べてくれないという悩みには、何か理由があることが多いです。お母さんお父さんで協力し、なぜ食べないのか子どもの気持ちに寄り添って対処していく必要があります。

また、一番重要なことは子どもが食に興味を持ち、食事を楽しいと感じることです。mogumoでは、ほかにも子どもが自ら楽しんで食べる工夫についてたくさんご紹介しています。
ぜひ参考にして子どもはもちろん、お母さんお父さんも一緒に楽しめるような食環境をつくっていきましょう。

について詳しく見る
友松春奈

幼少期からの競技経験をもとに食べるもので体が作られることを実感し管理栄養士の資格を取得後、フィットネスクラブで勤務。
「気軽に頼れる管理栄養士」をモットーに寄り添った栄養指導で、実業団選手・アマチュア選手を中心に栄養サポート。セミナーや記事監修・合宿帯同などを現役アスリートをしながら行っている。

<取得資格>
柔道整復師
管理栄養士
スポーツ栄養医学指導士

友松春奈をフォローする
この記事のKEYWORDS
友松春奈をフォローする
気に入ったらシェア
タイトルとURLをコピーしました