幼児食とは離乳食から大人と同じ食事になる過程の、およそ1歳半〜6歳くらいまでの食事です。離乳食では順調に進んでいた子どもでも、幼児食になると好き嫌いや遊び食べなどでつまずくことはよくあること。こうしたトラブルを回避したり、改善したりするのには正しい知識が必要です。
そこで注目されているのが幼児食に関する資格。現在ではおよそ10種類の資格があり、子育て中の方はもちろん、キャリアアップや新たな仕事でも役立てることができます。
そこで今回は幼児食の資格の種類から、おすすめの資格、勉強方法までを紹介します。
幼児食関連資格の必要性や取得するメリット
幼児食の資格をとると、自分の子どもに役立つだけでなくスキルアップや仕事にも繋がります。また、私たちの生活の中でも食事は必要不可欠で、子どもの成長の観点からはより重要視される傾向があります。
そのため、資格をとることで得られるメリットは多いといえるでしょう。
幼児の食育で重要な栄養に対する理解
離乳食の時期は母乳やミルクからも栄養が摂れていましたが、幼児食に移行すると食事から全て栄養をまかなわなければなりません。
中でも幼児期に必要なのは、身体の成長に欠かせないタンパク質や、カルシウム、鉄分などです。資格を取得すると、これらの栄養素を積極的に必要になることや、それらを効率的にとるためにどうしたら良いのか、調理で工夫できるポイントやレシピなども学べるのですぐに実践でいかすことができます。
他にも、幼児期特有に起こりやすい窒息事故やアレルギーについて、病気の時の対策なども学べるものもあるので幅広く理解を深めることができます。
資格を持つことでの信頼性の向上
資格をもつことで、客観的な評価がされるのでその人に対する信頼性が向上します。不確かな情報があふれる現代では、正しい情報を選択するのも難しくなっています。
誤った知識に惑わされず、確かな情報を得ることができるようになるので結果、子どもや周囲の人への助けへと繋げることができます。
保護者や関連機関とのコミュニケーションの質の向上
より正しい知識や情報に則って、相談やアドバイスができるようになるのでコミュニケーションの質が向上します。そのため、子どもの健やかな成長をサポートするのに大いに役立つでしょう。
幼児食の資格は子育て中の方はもちろん、保育園で勤める保育士や栄養士、調理師、子どもが多い飲食店で働く方にもおすすめです。
幼児食関連資格の種類
食を育むと書いて、「食育」が注目されているように子どもの食事は年々重要視されています。
ただ、幼児食の資格といっても実にたくさんの種類があります。資格によって内容や、取得できる条件などが異なるので自分に合った資格を探してみてくださいね。
幼児食マイスター
幼児食マイスターは日本安全食料料理協会(JSFCA)が認定する資格です。
子どもの成長に合わせて栄養バランスのある献立を考え、幼児食に向く食材や向かない食材などに関する幼児食の知識をもつ人に与えられます。
また、食物アレルギーの予防や対策、適切な対処ができたり、手づかみや遊び食べなどを克服するためのしつけができるようになります。
受験資格は特にないので誰でも受験することができ、申し込みもインターネットから可能です。合格率は70%なので、きちんと対策すれば難易度としてはそこまで高くない資格と言えるでしょう。
幼児食インストラクター
幼児食インストラクターは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。
幼児食の基礎から、発達に合わせた食事やレシピを学び、アレルギーや万が一に病気になった時のケアまで幅広い知識がある方に与えられます。
受験資格は、協会が指定する認定教育機関の全カリキュラムを修了した方のみ得ることができます。受験料は5,600円(税込)ですが、別途28,600円(税込)が必要になります。
他にも、「上級幼児食インストラクター」という資格もあります。こちらは幼児食インストラクターを取得していなくても受験が可能ですが、こちらも協会が指定する講座を受講し全カリキュラムを修了しなければなりません。
また、すでに幼児食インストラクターを取得していても、もう一度指定講座を受ける必要があります。
どちらも取得する予定がある方は、総合講座で学ぶと少しお得になるので詳細はホームページでご確認ください。
幼児食プランナー
幼児食プランナーは、一般社団法人日本技能開発協会の認定資格です。体作りやアレルギーについて学び、子どもの年齢別に合わせた料理方法を習得した方に与えられます。
受験資格は、指定の講座を受講することで得られますが、知識に自信のある方には試験のみでも受験が可能です。受験料は試験のみの場合は11,000円(税込)。講座を受講する場合はwebからの申し込みで通常49,500円(税込)から39,500円(税込)かかります。
ベビーフードインストラクター
ベビーフードインストラクターは、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する資格です。
子どもの成長に合わせた食事や、季節や行事に合わせた献立を考え作ることができる方に与えられます。
資格をとると、個人の体格や体質、運動量によって食事量や三色の栄養素がバランスよく含まれている献立を考慮できるようになります。
受験資格は特にありません。受験料の10,000円(税込)がかかります。在宅受験が可能で、合格基準が70%以上なので比較的取得しやすい資格といえます。
ベビーフードコンサルタント
ベビーフードコンサルタントは、一般社団法人日本能力教育促進協会(IAFA)が認定する資格です。
幼児食の基礎知識から、発達にあった食事の進め方など食生活の指導ができる方に与えられます。
学ぶことで、より実践的に栄養バランスを損なわずにできる時短テクニックや作り置きのレシピなどすぐに役立つ情報を得ることもできます。
受験資格は、協会が指定する認定機関の講座を受験することで得られます。受験料はサポート費用や教材も含めて35,200円(税込)かかります。受講を修了すれば在宅でいつでも受験が可能です。
離乳食・幼児食コーディネーター
離乳食・幼児食コーディネーターは一般財団法人日本味育協会が認定する資格です。乳幼児の食と身体発達について正しい知識をもち、発達段階に沿った栄養バランスの良い食事を効率よく作れる方に与えられます。そのほか、調理法や食べさせ方、アレルギーについてなど幅広く学べます。
受験資格は協会が指定する通信講座を受講すれば得られます。受験料は不要で、受講料に教材や指導費が含まれ一括払いで34,000円(税込)かかります。
管理栄養士
国家資格の管理栄養士は、栄養士として実務経験を積むか、大学や専門学校の管理栄養士養成過程を卒業すれば受験資格が得られます。
ここで紹介してきた別の資格と比較すると難易度が高い資格のため、独学での合格は難しいでしょう。管理栄養士の前段階である栄養士なら、厚生労働省が定める大学・短大・専門学校のいずれかの栄養士養成施設を卒業すれば取得することが可能なので、まずはこちらから検討してみると良いでしょう。
資格取得のための勉強方法
資格をとるために必要な勉強には、大きく2種類の方法があります。メリットとデメリットを理解した上で、自分にあった勉強方法を見つけてくださいね。
専門学校や通信講座
メリットは以下の通りです。
- 直接、指導やアドバイスをもらえるため効率が良い
- 一緒に頑張る仲間がいる
- カリキュラムがあるので計画的に勉強が進む
デメリットは以下の通りです。
- まとまったお金が必要になる
- 場所や時間に制約がある
直接質問ができたり、励まし合う仲間がいたりすると勉強もはかどりますが、まとまったお金や時間が必要になります。
また、資格によっては指定の講座を受講する必要があるものもあるので、自分のライフスタイルを振り返って検討してみましょう。
自習による勉強
メリットは以下の通りです。
- 自分のペースで学習できる
- 時間の都合がつきやすい
- 費用を抑えることができる
デメリットは以下の通りです。
- わからない問題があった時に解決するのが難しい
- 仲間がいないので挫折しやすい
- スケジュール管理をしないと学習が間に合わなくなる
自由度が高い分、強い意思と行動力がないと独学での取得は難しいです。資格によって難易度もまちまちなので、学習スタイルや使える時間などを考慮し適切に勉強を進めることが大切です。
資格を取得して今後のキャリアや食育に活かそう
幼児食に関する資格には、さまざまな種類があることがわかりました。自分がどんな知識を身につけたいのか、今後どう活かしていきたいのかを踏まえて実際に取得するのに必要なことを確認していくと良いでしょう。
幼児食の資格は、すぐに日常生活に生かせるものばかりなので子どもの健やかな成長をサポートするのに必ず役に立ちます。また、内容によってはキャリアアップや仕事にもつながるのでぜひこの機会に検討してみてください。
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