子どもにとっておやつの時間は1日の楽しみの一つですよね。最近ではさまざまな嗜好品が販売されており、おやつと聞くと甘いケーキやアイス、カロリーの高いスナック菓子を想像するかもしれません。
しかし、子どもにとっておやつは「第4の食事」とも呼ばれ、足りない栄養を補給するためのものです。「おやつ=お菓子」という間違った認識をもっていると、栄養不足や肥満の原因になる可能性があります。
今回は正しいおやつの選び方や、時間や量など与える際の注意点を解説します。正しいおやつの知識を身につけ、子どもの成長をサポートしてあげましょう。
おやつ幼児食の重要性と目的
おやつには重要な役割と目的があることをご存じでしょうか?
最近では、おやつの時間にお菓子ばかり与えているママも多く、子どもの栄養不足や「お菓子依存」が問題になっています。
お菓子ばかり与えてしまう原因は、おやつの正しい役割や目的を知らないママが多いことです。おやつは1日の楽しみだけではなく、正しいおやつの重要性や目的を理解しましょう。
なぜ幼児食におやつが必要なのか
おやつは「第4の食事」とも呼ばれ、1日3回の食事では摂り切れなかった栄養を摂取させる役割があるため、子どもの成長に必要不可欠です。
幼児期は成長や活動するために大量のエネルギーを必要とし、栄養素によっては大人よりも多く摂取しなければならない種類もあります。
子どもの消化器官はまだ未熟で、3回の食事では必要なエネルギーや栄養素を摂取しきれません。そのため、3食の栄養バランスを考慮し、足りない栄養素を補充できるおやつを選びましょう。
おやつが幼児の成長に与える影響
幼児期には身体や脳の発達が盛んで、栄養不足は成長・発達に大きく影響するため注意が必要です。
1歳~5・6歳までの間は好き嫌いが多い時期でもあり、栄養バランスのよい献立をたてても栄養素が不足する場合があります。
長期的な栄養不足は、低身長や低体重の原因として問題視されており、おやつで必要なエネルギーや栄養素をしっかりと摂取させましょう。
栄養不足による症状は以下のようなものがあります。
- 発達の遅れ
- 集中力の低下
- 免疫力の低下
- 筋肉量の低下
- 粘膜や皮膚の荒れ
- だるさ・疲労感
- 便秘
必要な栄養素を摂取するためのおやつに、砂糖や脂質がたくさん入っているお菓子ばかり食べていると、幼児肥満や糖尿病の原因となるため注意が必要です。
砂糖には中毒性があり、子どもがお菓子ばかり欲しがるようになるため、お菓子やジュースなどは減らしフルーツやおにぎりなど、栄養価の高いおやつを与えましょう。
幼児に適したおやつの選び方
子どものおやつは何を基準に選んでいますか?子どもの欲しがるものを欲しがるだけ与えている場合は注意が必要です。
「いつもお菓子をあげていたけれど、お菓子以外には何をげたらいいんだろう」「子どもの成長や発達をサポートできるおやつって何があるんだろう」と思う方もいるでしょう。お菓子以外のおやつといわれると、何を与えていいか分からないママも多いかもしれません。
幼児に適したおやつ選びには、いくつかポイントがあります。ここでは、正しいおやつの選び方を解説するので、いつもチョコレートやジュースなどのお菓子を与えているママは参考にしてみてください。
手軽で栄養価の高いもの
幼児期は活動量が多くたくさんのエネルギー源が必要となるため、炭水化物を中心に不足している栄養素を足していきましょう。食べムラが多い時期なので、野菜が苦手な子はビタミンやミネラル、食物繊維が不足しやすいため果物などを取り入れます。
不足している栄養素 | おすすめの食材 |
糖質・エネルギー源 | おにぎり・いも類・マフィンなど炭水化物 |
カルシウム | 牛乳・ヨーグルト・チーズ・小魚 |
ビタミンやミネラル | 果物 |
子どもがお菓子を欲しがる場合は、砂糖や脂質の少ない甘くないビスケットやおせんべいがおすすめです。油脂の多いチョコレート類や洋菓子、砂糖の多いお菓子は血糖値が下がりにくく、次の食事に響きやすいため注意してください。
お菓子をあげてはダメというわけではなく「おやつ=お菓子」にならないように、お菓子は休日だけにするなど、うまく付き合っていきましょう。
季節や天候に合わせたおやつの選び方
おやつが毎日同じようなものにならないよう、季節や天候に合わせて変化させることで子どもも飽きずに楽しめます。
雨の日は活動量も減るため、食事に響かないようおやつの種類や量に気を付けましょう。外遊びができない日は子どもたちも退屈するため、親子でおやつ作りをするのもおすすめです。
行事に合わせたり、旬の食べ物を取り入れたりすることで食育にもつながります。旬の食べ物は栄養価も高く、新鮮で美味しさも増すため積極的に取り入れましょう。
季節 | 行事・旬の食べ物 |
春 | 端午の節句イチゴ・ハッサク・たけのこ・キャベツ |
夏 | 七夕スイカ・さくらんぼ・桃 |
秋 | 十五夜さつまいも・栗・梨・柿・ぶどう・リンゴ |
冬 | 七草がゆ・節分・ひなまつりみかん・キウイ |
アレルギーの有無を考慮する
近年、アレルギーをもつ子どもが増え続けており、幼児では約5%もの子どもが何らかのアレルギーを持っています。
食物アレルギーでは卵・乳・小麦が多く、果物のアレルギーも増加しています。おやつを与えるときは、食事同様アレルギーの有無を考慮して選びましょう。
手作りお菓子の場合、原材料が分かっており安心して与えられます。年齢が上がってくると、自分でおやつを買って食べる場合も出てきますが、原材料を確認してから食べるように説明しておきましょう。
添加物を避けた自然派も選び方の1つ
市販されているお菓子には、砂糖、塩が多く使われているだけではなく、添加物もたくさん入っているため注意しましょう。
添加物は厚生労働省の安全基準を厳守して添加されていますが、外国では使用禁止になっているものも日本では使用が許可されています。
添加物によっては発がん性や味覚障害を引き起こす恐れがあるといわれており、できるだけ無添加の商品を選びましょう。
手作りおやつを作るときも調味料の添加物に気を配り、食材も無農薬のものを選ぶのがポイントです。
おやつの適量とタイミング
おやつは子どもが食べたい時間に食べたいだけ食べさせるのはやめ、必要な分だけ与えるようにしましょう。ダラダラとたべてしまうと虫歯の原因になり、いつまでもお腹が空かず食事にも影響が出てしまいます。
適切な量とタイミングを知り、親子でルールを決めましょう。
1日に適切なおやつの量
おやつの量の目安は1日に必要なエネルギーの10~20%といわれています。子どもの3回の食事量、運動量、体格にもよりますが、2歳ごろまでは150kcal、3歳以降は200kcal程度が目安です。
カロリー計算では分かりづらい場合は、以下の量を目安に与えるようにしましょう。
みかん1個 | 30kcal |
バナナ1/2 | 50kcal |
プレーンヨーグルト | 50kcal |
牛乳コップ1杯 | 70kcal |
おにぎり(小さめ) | 80kcal |
板チョコ | 100kcal |
クッキー4~5枚 | 200kcal |
炭酸飲料500ml | 250kcal |
ショートケーキ | 300kcal |
お菓子や炭酸飲料は砂糖がたくさん入っているため、少量で必要なカロリーをオーバーしてしまいます。
おやつは決められた量をお皿に取り、おかわりはしないようにして食事に響かないよう注意してください。
理想的なおやつの時間
おやつは年齢によって時間や回数が異なります。
3歳までの間は、一度の食事量が少ないことや消化器官が未熟でたくさんの量が消化できないため1日に2回、10時と15時に与えます。
3歳以降は15時に1回とし、どちらも毎日できるだけ同じ時間に食べ始め、生活リズムを整えましょう。
食事との間隔が2~3時間ほど開くと、しっかりとお腹も空き、たくさん食事も食べられます。
【食事とおやつのタイムスケジュール】
タイムスケジュール | 1~2歳 | 3歳以降 |
7:00 | 朝ごはん | 朝ごはん |
10:00 | 午前おやつ | |
12:00 | 昼ごはん | 昼ごはん |
15:00 | 午後おやつ | 午後おやつ |
18:00 | 晩ごはん | 晩ごはん |
食事の時間が前後してしまった場合は、次の食事に向けて時間をずらしたり、量を調節してください。
幼児におやつを与える際の注意点
おやつを与えるときには誤嚥を未然に防ぎ、家族で楽しいおやつタイムを過ごしましょう。
幼児は食事だけではなく、おやつでも誤嚥による窒息が報告されています。与える前に一手間加えることで安全に食べることができ、事故を防げるため誤嚥しやすい食材を把握しておきましょう。
子どもにとっておやつは食べるだけではなく、家族との楽しいコミュニケーションの時間です。楽しいおやつタイムにするために、注意点を解説します。
誤嚥を防ぐための工夫
誤嚥とは食べ物が誤って 喉頭や気管支に入ってしまうことで、通常ではむせたり咳き込んだりして吐き出しますが、最悪の場合誤嚥が原因で窒息する危険性もあります。
幼児は咀嚼力や飲み込む力が弱く、おやつでも誤嚥を起こす可能性があるため注意が必要です。誤嚥の危険性の高いものは、年齢が上がるまで与えるのは避けてください。
ミニトマトやぶどうなどは誤嚥する事例が多くありますが、カットすることで対処できます。
カットする際は、喉に詰まっても空気の通り道が開くよう、縦にカットしましょう。
以下は特に誤嚥する可能性が高い食品と対処法です。
食材・特徴 | 対処法 |
豆・ナッツなど固くて噛みにくいもの | 3歳ごろまで食べさせない |
ミニトマト・ぶどうなど丸くてツルっとしているもの | 縦に1/4にカットしてから提供する |
餅や白玉など粘着性が高いもの | 喉に張り付きやすいため3歳ごろまで食べさせない |
おやつ時間を楽しむコミュニケーションのコツ
子どもにとっておやつは栄養補給だけではなく、リフレッシュや家族とのコミュニケーションを取る大切な時間です。
休日などはママとパパと一緒におやつを食べ「これおいしいね。半分こしよう」「このフルーツは何て名前かな?」などたくさん会話をしてコミュニケーションを取りましょう。
一緒におやつを作り、さまざまな食材に触れることも食育になります。パパとママと一緒に作ったおやつは、一層美味しく感じ子どもの心もお腹も満たされるでしょう。
おやつは子どもが食べるものと思わずに、お子さんと楽しいおやつタイムを過ごしてみてください。
健康を支えるおやつのレシピ5選
ここからは、子どもの健康を支える栄養満点のおやつを5つ紹介します。
おやつは手作りすることで余分な添加物も摂らずにすみ、アレルギーにも対応できます。紹介するレシピはアレンジしやすいので、材料を変えて何度も楽しめるため、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。
イチゴのフローズンヨーグルト
お好みのフルーツを使ってオリジナルのフローズンヨーグルトが作れます。
市販のアイスは砂糖がたくさん含まれていますが、このレシピでははちみつを使用するので低カロリーでおすすめです。はちみつは砂糖や練乳でも代用できます。
甘さも調節でき、混ぜるだけで簡単にできるので、ぜひ一緒に作ってみてください。
【材料】
- いちご 200g
- プレーンヨーグルト 1パック(400g)
- はちみつ 大さじ4
【作り方】
- ペーパータオルを敷いたザルにヨーグルトをあけ、30分ほど水きりする
- イチゴをフォークで粗くつぶし、はちみつを混ぜ合わせる
- 水切りしたヨーグルトとイチゴを混ぜ合わせて容器に入れ、冷凍室で冷やし固める
- 2時間ほどしたら、一度フォークで混ぜ合わせる
- 完全に固まったら完成
※はちみつを使用する場合は、1歳未満の子どもに与えないでください。
参照元:いちごのフローズンヨーグルト|だいどこログ[生協パルシステムのレシピサイト]
基本の蒸しパン
幼児おやつの王道蒸しパンのレシピです。基本の蒸しパンのレシピなので、さつまいもやりんご、ココアなどお好きな食材を入れてアレンジしてみてください。
子どもの野菜不足が気になる場合は、人参やほうれん草、かぼちゃなどブレンダーにかけ生地に混ぜ合わせることでおやつとして楽しく野菜を食べられます。
【材料】
- 薄力粉 100g
- 卵 1個
- 上白糖 50g
- 牛乳 100ml
- サラダ油 大さじ2
- ベーキングパウダー 大さじ1/2
- お湯 適量
【作り方】
- 蒸し器の水は沸騰させ、蓋にはタオルを巻いておく
- ボウルに卵、上白糖を入れ、泡立て器で混ぜ合わせる
- サラダ油、牛乳を加えて混ぜ合わせる
- 薄力粉、ベーキングパウダーをふるい入れて混ぜ合わせる
- 耐熱型に流し入れる
- 蒸気の上がった蒸し器に入れて中火で20分蒸し、火が通ったら完成
参照元:基本の蒸しパン プレーン味 作り方・レシピ | クラシル
しらすじゃがいもおやき
しらすはクセが無く、不足しがちなカルシウムやビタミンB群が豊富に含まれています。こちらは離乳食・幼児食のおかずとしてもおすすめな一品です。
焼いた後に冷凍しておけるので、たくさん作ってストックしておくのもおすすめです。
【材料】
- じゃがいも 2個(300g)
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ1
- しらす 40g
- ピザ用チーズ 30g
- あおさ(または青のり) 小さじ1
- オリーブオイル 小さじ1
【作り方】
- フライパンにオリーブオイルをひく
- じゃがいもは皮と芽を取り除き、一口大にカットする
- 耐熱ボウルにじゃがいも、分量外の水を大さじ1入れ、ラップをして600Wの電子レンジで約5分加熱する
- じゃがいもをフォークで潰す
- 片栗粉、水を入れ混ぜ合わせる
- しらす、あおさ、ピザ用チーズを入れ混ぜる
- 食べやすい大きさに平たく丸め、フライパンに並べ中火にかける
- 両面焼き色がつくまで焼いたら完成
参照元:しらすじゃがいもおやき | クラシル | レシピや暮らしのアイデアをご紹介
材料4つ!ノンオイルかぼちゃオートミールプリッツ
市販のプリッツは塩分が多く添加物も入っているため、お子さんと手作りしてみてはいかがでしょうか。水の量と焼き加減で固さも調節できるので、小さなお子さんにもおすすめです。
かぼちゃは皮つきのままでもOKです。かぼちゃの水分量によって加える水の量を調節してください。小さいお子さんは、焼き時間を短くして柔らかめに仕上げると食べやすくなります。
【材料】
- かぼちゃ 50g
- オートミール 40g
- 砂糖 大さじ1
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
【作り方】
- かぼちゃは種とワタを取り、一口大にカットして耐熱容器に入れ、ふんわりラップをする
- レンジで600W、2分半ほど加熱する(固ければ追加で加熱する)
- かぼちゃ、オートミール、砂糖、片栗粉、水をフードプロセッサーに入れて攪拌する
- オーブンシートに乗せ、上からラップをしてめん棒で5mmの厚さに伸ばす
- ラップを外し、5mm幅に包丁で軽く切れ目を入れておく
- トースターで10分ほど焼く
- 焼きあがったら包丁の切れ目に沿って切り離す
参照元:材料4つ!ノンオイルかぼちゃオートミールプリッツ | クラシル | レシピや暮らしのアイデアをご紹介
簡単ノンフライの野菜チップス!!
ポテトチップスはおいしいけれどカロリーも高いし、塩分の摂り過ぎも気になる、そんな方にはノンフライの野菜チップスがおすすめです。
野菜嫌いな子も、パリパリとした食感でたのしくおやつ感覚で野菜を食べられます。
野菜はお好みのものをスライスしてみてください。電子レンジでチンするだけなので、簡単に無添加野菜チップスができあがります。
【材料】
- 人参 1本
- ゴボウ 3/1本
- さつまいも 4/1本
- ジャガイモ 1個
- かぼちゃ 1/4個
【作り方】
- スライサーで野菜をカットする(包丁よりスライサーの方が厚さが均一になります)
- 皿に並べ、レンジ700wで5分ほど加熱する
- 塩、カレー粉、ガーリックパウダーなど、お好みで味付けする
参照元:簡単ノンフライの野菜チップス!! by ーnakamoー 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが389万品
おやつ幼児食を与えて子どもも楽しめる食育を
おやつは「第4の食事」ともいわれ、子どもにとって足りない栄養を補給するための大切な食事の一部です。特に幼児期は食べムラが多く、栄養不足を心配するママも多いでしょう。
おやつにチョコレートやジュースなど、糖分や塩分の多いお菓子ばかり与えるのではなく、栄養価の高いおやつを取り入れてみましょう。
子どもの栄養バランスが心配な場合、栄養バランスの取れた冷凍食品も取り入れるのもおすすめです。mogumoでは管理栄養士監修の栄養満点な幼児食をお届けします。
電子レンジで温めるだけで栄養バランスの取れた幼児食が簡単にできあがるので、時短になりママの負担も減り家族の時間もゆっくり過ごせます。
幼児期は身体や脳の発達が盛んで、しっかりと栄養素を補給する必要があります。栄養不足にならないよう、栄養バランスのよい食事・おやつを提供して子どもの成長をサポートしてあげましょう。
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