子どものためにいろいろと料理を作ってはみても、「いつも決まったものしか食べてくれない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。自分で思いつく工夫をしてもあまり効果がなかったり、もう案が出てこなかったりして行き詰まると、ますます悩みは深くなってしまいます。
子どもの偏食を克服したいなら、年齢に合ったアプローチを試してみるのがおすすめです。本記事では、偏食がひどい2歳児へのアプローチ方法を具体的に紹介します。ぜひ参考にして、子どもに合う克服方法を見つけてみてください。
2歳の偏食の原因や特徴を解説
2歳の偏食と言っても原因はさまざまです。そもそも偏食とは、食べる食品やメニューの選択肢が極端に偏り、必要な栄養が補えていない状態のことを言います。好みからくる好き嫌いとは程度が違います。
2歳児は発達が目覚ましい反面、まだまだ気分にも食欲にもむらがあります。ここでは2歳という年齢に注目して、偏食の原因とその特徴について解説します。
イヤイヤ期と重なる
2歳児に偏食が目立つ原因として最初に考えられるのは、世間で言われる「イヤイヤ期」です。
2歳は離乳食を終え、噛む・飲み込む動作が上手になり、幼児食にも慣れてくる時期です。しかし、同時に自我が芽生え「嫌なことはイヤだ」と自己主張できるようになる時期でもあります。
そのため「子どもがなんでもイヤ、と言っているうちに偏食になってしまっていた」というパターンが考えられます。成長の証でもありますが、自己主張が強く出るイヤイヤ期の偏食に向き合うのは大変なことです。
いろいろ工夫して食事を作っても「イヤ」、椅子に座る事さえ「イヤ」。こうなると大人としては辛いでしょうが、イヤイヤ期は時期が来ると落ち着きます。
好き嫌いがはっきりしてくる
2歳になると、離乳食を食べていた頃に比べ、味覚が発達してきます。また、噛んで飲み込む食事から、味わう食事に変わって来るのもこの時期です。
そのため、食べ物の好き嫌いがはっきりしてきます。好きなものばかりを欲しがるようになると、偏食に繋がります。
こだわりが出てくる
2歳になると自我が芽生え、いろいろなことにこだわりが出てきます。好き嫌いとは別に「特定のものだけを食べる」「ご飯に何かを混ぜるのを嫌がる」など、食材や食べ方にこだわりが出て、偏食につながるのもこの時期の特徴です。
自分の好みがはっきりし、お気に入りのものや方法が見つかると、それを何度も繰り返します。大人は「こだわりが強すぎるのでは」と心配になりますが、無理にやめさせようとすると子どもの機嫌を損ねてしまい、頭を悩ませる方も多いでしょう。
2歳の偏食が極端に続くとどうなる?体への影響
2歳児の偏食が極端に続くと、体だけでなく精神面の発達にも影響が出てしまいます。成長期の子どもにとって、食事の栄養バランスは重要です。
ここでは、偏食の影響について説明します。
栄養バランスが偏る
栄養バランスの良い食事とは、五大栄養素を必要量満たしたものを指します。五大栄養素とは炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5つです。これらの栄養素を含む主な食品と体に入ったときの役割は以下の通りです。
<体を動かすエネルギーの源>
- 炭水化物:ごはん・パン・麺類・イモ類・果物など
- 脂質:サラダ油・バター・マヨネーズ・ラードのような肉や魚の脂肪分など
<筋肉や血液・骨など、体づくりに関わるもの>
- たんぱく質:肉・魚・卵・大豆や大豆製品豆・牛乳など
- ミネラル:海藻類・乳製品・レバー・ひじきなど
<体の調子を整えてサポートするもの>
- ビタミン:野菜・きのこ類・イモ・果物など
- ミネラル:海藻類・乳製品・レバー・ひじきなど
栄養素はそれぞれ、体内に入ったときの役割が異なります。必要量を満たせるようバランスの良い食事にするためには、主食+主菜+副菜を組み合わせた形を基本にしましょう。
便秘になりやすい
偏食により、栄養バランスがくずれると腸内環境の悪化により、便秘に繋がる可能性があります。とくに野菜を食べない偏食では、腸内環境を整える食物繊維が不足してしまいます。
また、偏食により食べる量が少なくなりすぎると、便自体の量が減り排便し辛くなるのも便秘につながる原因と言えるでしょう。
体力・免疫が落ちやすくなる
偏食により、栄養バランスが偏ると、体力や免疫力の低下につながります。そのため、風邪をひきやすく治りにくくなる可能性も。
体力・免疫に必要な栄養素は、たんぱく質・ビタミンB群・ビタミンCなどのビタミン類が代表的です。
また、極端に偏食が続くと体の発育にも影響が出るのも体力・免疫が落ちやすくなる原因の一つと考えられます。
偏食がひどく、体重が増えない・減少がみられる場合は医療機関で相談してみましょう。
精神面の発達にも影響する
偏食により、必要な栄養素が不足すると、体だけでなく精神面の発達にも影響が出ます。なかでも、たんぱく質・カルシウムは子ども情緒の安定に必要です。
慢性的な不足は、不安感・協調性や集中力の低下・イライラしやすくなるなど、行動の変化となって現れます。
2歳の偏食への具体的なアプローチ
ここからは、偏食への具体的なアプローチ方法を7つ紹介します。
偏食に対しては、子ども・食事・環境といろいろな角度からアプローチができます。すぐに試せるものもあるので、偏食によるリスクを避けるために、ぜひ参考にしてみてください。
お腹が空くよう日中の活動量を増やす
偏食を防ぐために、お腹が空くよう日中の活動量を増やしましょう。子どもが空腹を感じれば、食事へのこだわりよりも「食べたい気持ち」を刺激することにつながります。十分に体を動かして、食欲につながるようアプローチしましょう。公園へ出掛けたり、散歩をしたり、外出ができない場合は家の中で遊ぶのも良いですね。食事の時間にお腹が空くよう日中の活動を工夫しましょう。
食べやすい固さ・大きさ・味付けに変えてみる
子どもが偏食する理由一つに、食事の食べにくさがあります。
「固さは子どもに合っているか」「大きさは大きすぎないか」、もう一度見直すと良いでしょう。
また、味に飽きて偏食につながっているケースも考えられます。幼児食は、基本的に薄味なので、料理に変化を感じられず食べない可能性が高いです。味が濃くなり過ぎないよう、調味料を加えてアレンジするのも良いでしょう。
どんな硬さ・大きさ・味付けのものが食べやすいのか、子どもに合う形態を探ってみましょう。
食事に集中できる環境を整える
2歳児はいろいろなことに興味があり、遊び食べになりやすい年齢です。そのため、食事の優先度がさがり、特定のもの・好きなものだけ食べる偏食につながる可能性があります。
「食事の時間はテレビを消す」「おもちゃを見えないように片付ける」など食事に集中できる環境を整えましょう。子どもの興味を引くものが見えないように、座る向きを変えるのも効果的です。
大人が目の前でおいしそうに食べてみる
パパ・ママが目の前でおいしそうに食べていたら、子どもは食事に興味を持ちます。「食べてみようかな」、という気持ちを引き出すことができますよ。
また、保育園やレストランなどで、同世代の子どもが食べる様子をみると、刺激されて食べ始めることもあります。まずは、家族の食事時間を楽しむことを意識してみましょう。
好きなものと避ける食材を一緒に料理してみる
子どもが好きなものと、偏食して食べない避ける食材を一緒に料理するのも効果的です。その場合、食材を細かく切ったり、ミキサーにかけることで見た目がわかりづらくなり食べやすくなりますよ。
メニューでいうと、ハンバーグやカレーなど、食材の味が分かりにくいものがおすすめです。食べられたら、混ぜた食材のタネあかしをして、食べられたことを褒めてあげましょう。
そうすることで、子どもの成功体験が積み重なり、偏食を克服することにつながります。
一緒に食事を作ってみる
親子クッキングのように、一緒に食事を作ってみるのもおすすめです。食材に触れることは食事に興味を持つきっかけになります。
偏食により避けていた食材にも、興味が湧いて食べてくれる可能性もありますよ。
料理を一緒にする場合、野菜を洗う・ちぎる・まぜる、おにぎりを握るなど、子どもができる範囲のことを一緒にやってみましょう。子ども用のエプロンをつけて、雰囲気を作るのもおすすめ。張り切ってお手伝いしてくれるのではないでしょうか。お手伝いが難しい場合は、料理をしているところを見せるだけでも、良いでしょう。
無理強いはせず、日を変えてチャレンジする
食事は毎日のこと。偏食は、「何歳までに必ずクリアできなければいけない」、というものではありません。2歳は自我が発達して、なんでもイヤと言ってみたい年齢です。
そのため、かたくなに食べない日や、急に食べ出す日もあるでしょう。すぐに体調に影響が出るわけではないので、無理強いはせず、日を改めてチャレンジしてみましょう。
2歳の偏食を克服するために、できることからコツコツと!
子どものことを真剣に考えるからこそ、偏食が出てきて食べてくれない日が続くと心配になりますよね。
しかし、焦ってイライラしてしまえば大人も子どもも疲れてしまいます。まずは食事を楽しむことが大切です。今回の記事を参考に、無理なくできることからコツコツと取り組んでみましょう。
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