2歳児がご飯を食べない…原因や対処方法を管理栄養士が解説!

2歳児がご飯を食べない…原因や対処方法を管理栄養士が解説! 子育て

2歳になるとイヤイヤ期にも突入し、偏食も強くなりご飯を食べないことも増えてきます。
「ご飯食べないのにお菓子ばかり食べる」「どうせ食べないから作りたくない」とストレスを感じるママも増える時期です。

2歳児がご飯を食べないのにはいくつか原因があり、怒ったり間違った声かけをしたりすると、偏食がもっとひどくなる可能性があります。本記事では2歳児がご飯を食べない原因や対処法を紹介するので、子どもの食事に悩んでいるママは参考にしてみてください。

2歳児がご飯を食べない原因・理由は?

幼児食にも慣れてきた2歳児がご飯を食べない原因や理由は、発達や日々の食事の偏りなどが考えられます。

ご飯を食べない理由を理解していないと「なぜご飯を食べないの」と怒るママと「なんで私の気持ちを理解してくれないの」と思う子どもの気持ちがすれ違ってしまい、いつまでもご飯を食べてくれません。

ご飯を食べない理由や原因を解説するので、まずは2歳児の発達段階や適切な食事内容などを理解しましょう。

発達段階と食の関連性

2歳児の発達状況は個人差が大きく、2歳児向けのレシピでも子どもによってはまだ食べにくい場合があるため、発達状況に合った献立が必要です。

発達状況に合っていない食事内容では、食べにくさから子どもは食べることを諦めたり、嫌がったりします。

まだはっきりと自分の気持ちを言葉で表現できない子どもにとって、ご飯を食べないのは「このご飯は食べにくい」「このお肉は固くて噛めないよ」という意思表示の表れでもあります。

2歳児は咀嚼力と嚥下力がまだ弱く、固いものやパサパサした食材が苦手なため、離乳食の延長と考え、小さくカットしたりとろみを付けたりして食べやすく調理してあげましょう。

好き嫌いと食事の偏り

2歳になると好き嫌いがコロコロ変化し偏食が激しくなる時期ですが、嫌いな食材も取り入れたバランスのよい献立が重要です。

1歳のころに比べて好きなもの、嫌いなものがはっきりし、記憶力も高まっているため、以前食べて美味しくなかったものや食べにくかった経験を思い出し「このご飯は食べたくない」と拒絶する場合もあります。

ご飯を食べてほしいという理由で好きなものばかり提供していると「嫌いなものは残せばもう出てこない」と思ってしまい、さらに偏食が激しくなる可能性があるため注意が必要です。

子どもの好き嫌いに合わせて献立を立てていると、食事に偏りが出てしまい栄養バランスも崩れてしまうため、嫌いな食材もメニューに取り入れましょう。

生活環境と食事の変化

2歳ごろになると生活環境や食事内容に変化が現れますが、その変化に対応できず食事がイヤになってしまう子どももいるため注意が必要です。

基本的な生活習慣の変化としてはスプーンやフォークを持って食べられるようになり、食べこぼしもほとんど無くなってくる時期ですが、まだまだ失敗することもあります。

そろそろ基本的な食事マナーを教えたいと考えるママも多く、手づかみ食べや遊び食べを注意されることも増え、子どもにとっては食事の時間がストレスに感じる場合があります。

食事内容も離乳食が完了し幼児食に移行する時期でもあり、食事内容の変化に戸惑う子も多く、偏食の原因となりやすいため注意です。

2歳向けのレシピでも、発達状況によって食材の大きさや固さが合わず、食べにくさから残してしまう場合もあります。食べにくいメニューが1つあったら、他のメニューは食べやすいものを取り入れるなど、食事中のストレスを軽減できる献立作りが重要です。

生活環境や食事の変化に対応できているかしっかり確認し、ひとりひとりに合わせて進めていきましょう。

固さや大きさなどの食べにくさ

2歳児は、まだ咀嚼能力が未熟なため、食べ物の固さや大きさが原因で食べにくさを感じる場合があります。

特に、硬い野菜や大きな肉の塊などは噛み切れずに食べづらく感じ、食事に対する意欲を失うことがあります。そのため、食事が楽しくなくなり、食べること自体を嫌がることも少なくありません。

食べにくい様子が見られたら、以下のことを試してみましょう。

  • 食材を小さく切る
  • 調理法を工夫して柔らかくする
  • 嚙み切りやすいよう形を変えてみる

このように、食材の固さや大きさを子どもが食べやすいように調整することで、「自分で食べられる」、という成功体験が増えます。子どもは達成感を感じることで食事を楽しむようになり、積極的に食べてくれるようになります。

イヤイヤ期の訪れ

2歳頃から始まるイヤイヤ期も、ご飯を食べない理由の一つです。

この時期の子どもは、自我が芽生え親の指示に反抗することが増えます。食事中に「嫌だ!」、と拒否するのは、自己主張の一環としてよく見られる行動です。
イヤイヤ期についての詳細な対策やアプローチは、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

2歳児がご飯を食べない時の対処法

せっかく作ったご飯を食べてくれないと、ストレスが溜まりママも疲れてしまいますね。「2歳児がご飯を食べないけど大丈夫?」「栄養が偏って心配」というママは、食事環境やメニューを見直してみてください。

ご飯を食べないのは理由や原因があり、解決してあげるとたくさんご飯を食べてくれる場合があります。2歳児がご飯を食べないときの対処法を3つ解説するため、参考にしてみてください。

食事の量を調整する

子どもの食べる量は、個人差が大きいです。また、体調・活動量・気分によっても変動します。目安の量にこだわって、子どもにとって多異と感じる量を食べさせようとすれば、食事の拒否が強くなることもあるでしょう。嫌がる場合は、まずは子どもが食べきれる量に調整し、様子を見守りましょう。

「全部食べられた」、という成功体験を積ませるために少量をお皿に盛り、食べられたら少しずつ追加していくことも効果的です。食事に対するモチベーションを高めるためにも、たくさん食べられたときにはしっかりと褒めてあげましょう。

食事環境を見直す

2歳児がご飯を食べない場合、食事に集中できる環境を整えることも効果的です。

例えば、子どもが興味を引かれやすいテレビを消したりおもちゃを片付けたりして、食事に集中できるよう環境を整えましょう。。

また、子どもが食事の時間を楽しいものだと認識できるよう、家族全員が一緒にテーブルを囲み食事を楽しむことを意識しましょう。

食べやすい形や固さにする

子どもが自分で食べやすいように、食材を工夫することも大切です。2歳児は、自我が芽生えてくるため、「何事も自分でやってみたい!」、と感じている場合があります。食材を小さく切ったり柔らかく調理したりすれば、自分で食べやすくなるためおすすめです。

例えば、スティック状の野菜や小さく丸めたおにぎりなら、手づかみで食べられるため、子どもが食事に興味を持ちやすくなります。

他にも、好きなマークや動物の形に型抜きするのも効果的です。見た目をかわいくすることで食事に興味を引き、食べる意欲が湧いてきます。

子どもの気持ちを考える

子どもにとって、食事が楽しい時間であることは重要です。「食事が苦痛である」、と認識してしまうと食事に対する意欲がなくなってしまい、食べない原因になってしまいます。そのため、無理に食べさせることは避けましょう。

2歳の頃は、子どものペースに合わせて食事を進めることが大切です。親がイライラしてしまうと、食事の雰囲気が悪くなり子どもも楽しくなくなります。心に余裕を持って接することで、子どもがリラックスして食事を楽しむことができるでしょう。

また、子どもの自信を育てたり食事に対するポジティブな印象を与えたりするためには、食べた量や姿勢を積極的に褒めてあげることも効果的です。子どもの気持ちを理解し、親子で楽しい食事の時間を共有することを心掛けましょう。

事前の工夫も大切!

2歳児がご飯を食べないときは、食事を取る前の工夫も大切です。以下で、具体的な工夫について解説します。

おやつの時間や量を調整する

おやつは2歳児にとって、1日の栄養を補給するために必要です。しかし、時間帯や与える量によっては次の食事に響くため、注意が必要です。

おやつを与える際は、食事に影響が出ない程度の時間帯・量を考えましょう。例えば、食事の1〜2時間前におやつを与え、量を加減することで、食事時に空腹感が出るよう工夫します。

2歳児のおやつの量は、150kaclを目安にするとよいでしょう。具体的な内容は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。

子どもが好きなメニューを入れる

2歳児が食事を食べない場合は、子どもが好きなメニューを取り入れてみましょう。好きなメニューが食卓に並ぶことで、食事に対する興味を引き出せます。

例えば、カレーが好きな子どもには、肉や野菜などの具材をたくさん入れるのがおすすめです。1品でさまざまな栄養が補えてバランスも整います

子どもの好物を中心にしながら、栄養バランスを配慮したり、少しずつ新しい食材を取り入れて子どもの食事の幅を広げていきましょう。

日中の運動量を増やす

日中に十分な運動を取り入れることで空腹感を出し、食欲が湧くよう促してみましょう。お腹が空くと自然と食欲が湧いて、食事をおいしく食べることに繋がります。

例えば、公園での外遊びや、室内ならダンスやゲームなど、子どもが楽しめる運動を取り入れるのがおすすめです。

また、日中体を動かすことで夜間の睡眠も深くなり、生活リズムを整えられます。そうすると、食事の時間が規則的になり食習慣も整いますよ。

2歳児がご飯を楽しく食べるための工夫

子どもにたくさんご飯を食べてもらうためには、食事の大切さや食事の楽しさを知ってもらうことが重要です。2歳児が楽しく食事するための工夫を紹介するので、ぜひ試してみてください。

親子での料理体験

ママと一緒に料理をすることで、ご飯が身近に感じられ食事に関する関心が増すため、休日など時間があるときには一緒に料理をしてみてください。2歳児ができることは少ないですが、以下のような簡単なお手伝いをお願いしてみましょう。

  • 野菜を洗う
  • お箸や食器を並べる
  • 和え物など混ぜる

料理以外にも、お買い物に行った際に「これは何て名前のお野菜?」「この野菜はどんな味かな?今日食べてみよう」など、食材に興味を持つように声掛けするのも有効です。

さらに、家庭菜園などを取り入れると自分で育てた喜びから、食に興味を持ってくれます。家庭菜園というと大変そうに聞こえますが、買ってきた野菜の根を水に付けて置くだけでも簡単に育てられます。
特に、豆苗は一度刈り取った後、水を張ったお皿に入れ、毎日水換えをするだけで簡単に育てられます。

親子での料理体験や食材に触れさせることで、食への関心が高まるためぜひ取り入れてみてください。

食事の大切さを教える(食育)

2歳児がご飯を食べてくれない場合は、野菜や食事に関する絵本などを使って食事の大切さを教えてあげましょう。

まだ難しいことは理解できませんが「お肉を食べると体が大きくなるよ」「お野菜を食べると体が元気になるよ」など、簡単な言葉で伝えてみてください。

食事中に楽しさを感じられる工夫

子どもにたくさんご飯を食べてもらうには、まずは食事が楽しいものだと感じてもらいましょう。食事中の楽しい思い出が増えると「ご飯=楽しい」と記憶し、食事の時間が好きになります。

一方、食事中に怒られてばかりだと、イヤなイメージがついてしまい食事の時間が嫌いになってしまいます。子どもは「嫌な気分で食べたご飯=不味かった」と記憶してしまいます。

子どもに「ご飯=楽しい」と感じてもらえるように、家族みんなで食卓を囲むようにし「このご飯は好き?」「一緒に食べるとおいしいね」などたくさん声掛けをおこなってみましょう。

2歳児の食事について保育士や管理栄養士がお答え!

2歳児になると好き嫌いや偏食など、悩みを抱えるママも多いのではないでしょうか。ここでは2歳児の食事に関する質問に、保育士、管理栄養士がお答えいたします。

子どもの食事に悩みがあるママは参考にしてみてください。

2歳児の食事に必要な栄養素は?

子どもが成長するためには炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素が必要不可欠であり、バランスよく摂取する必要があります。2歳児は好き嫌いが増え、偏食が強くなる子が多くいますが、体と脳の発達が急速に進む時期ため、不足した栄養素はおやつで補うなど工夫してあげましょう。

特に、鉄分、カルシウム、オメガ3脂肪酸は不足しやすい栄養素のため、積極的に摂取させてください。必要な栄養素が不足すると免疫力が低下したり、成長不良を引き起こす危険性があるため注意が必要です。

2歳児のころは、1つの食材の量を多く食べることよりも、主食・主菜・副菜をバランスよく食べさせましょう。

偏食を改善するための方法は?

偏食を改善するためには、正しい食事環境と食育が効果的です。偏食を失くすためには、一緒に料理をしたり、楽しい食事の時間を過ごさせましょう。

偏食がひどい場合は、ついつい怒ったり無理やり食べさせたりしがちですが、逆効果です。食事中のイヤな経験が偏食を強くしている場合があるため、まずは食事環境を整え、家族みんなで食卓を囲み「食事=楽しい、おいしい」と経験させ、食事を好きになってもらいましょう。

2歳児におすすめの食事のスケジュールは?

2歳のころは生活習慣を整え、食事の時間にお腹が空くようにスケジュールを組みましょう。2歳児は3回の食事に加え、2回の間食を入れてスケジュールを組みましょう。

6:00起床
7:00朝食
10:00間食
12:00昼食
15:00間食
18:00夕食
20:00就寝

3歳ごろまでは食事と食事の間に間食が入るため、食事の時間に空腹状態を作るのが難しい時期です。間食は食事で取り切れなかった栄養素をとるために必要不可欠ですが、与えすぎると次の食事に響いてしまうため、量を調節しましょう。

間食の内容はおにぎりやフルーツなどを与え、スナック菓子中心にならないように注意してください。

2歳児が喜ぶご飯で楽しく食事しよう!

2歳児は食べムラや偏食が激しくなる時期ですが、無理に食べさせたりせずに、まずは「食事は楽しい!」と感じてもらえるように、献立を工夫したり、一緒に料理したりしてみましょう。

子どもは苦手な食材でも、ふとしたきっかけで食べられるようになります。そのきっかけ作りをたくさんすることで、食べムラや偏食が減少していくので、焦らずゆっくりと食事の楽しさ、大切さを教えてあげましょう。

「2歳児が好きなレシピが分からない」「子どもがご飯を食べてくれないから栄養不足が心配」というママは少し肩の力を抜いて、冷食に頼ってみるのもおすすめです。

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2歳児の子どもがご飯を食べてくれないと悩むママは、ぜひお試しください。

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友松春奈

幼少期からの競技経験をもとに食べるもので体が作られることを実感し管理栄養士の資格を取得後、フィットネスクラブで勤務。
「気軽に頼れる管理栄養士」をモットーに寄り添った栄養指導で、実業団選手・アマチュア選手を中心に栄養サポート。セミナーや記事監修・合宿帯同などを現役アスリートをしながら行っている。

<取得資格>
柔道整復師
管理栄養士
スポーツ栄養医学指導士

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