好き嫌いをせずに、さまざまな食べ物を食べてほしい、というのが親の願いだと思います。しかし、1歳を過ぎると自我が芽生え始めるので、食事へのこだわりが出てくる子どももいるでしょう。食が細くなったり、好き嫌いが激しく偏りが出てくると、栄養面や成長への影響が心配になりますよね。
偏食にはさまざまな原因があり、子どもに合った対応を取ることで、少しずつ克服できる可能性があります。本記事では1歳の偏食の原因や、克服のための工夫について紹介します。
1歳の偏食が起こる原因
1歳の子どもの偏食は、さまざまな要因が重なって起こっている可能性があります。成長とともに食欲や好みが変わるため、初めて食べる時は警戒心を持ったり、食べようとしないこともあるでしょう。
ここからは、偏食が起こる原因について紹介します。子どもが、どれに当てはまるかチェックしてみましょう。
食事が食べにくい
1歳の子どもにとって、食材の大きさやかたさが食べにくいと、食事が進まないことがあります。1歳になったからと言って、急に大人と同じ食事が、食べられるわけではありません。
1歳の子どもは、まだ顎の筋肉の発達が未熟です。食材が食べにくいと、口にしない様子も見られるでしょう。特に大きすぎたり、かたすぎたりする食材があると、食事を拒む一因となります。食べにくそうにしている食材があったら、細かく切って軟らかくなるまで煮る、食べやすいサイズに切る方法があります。
それぞれの食べ物のかたさや大きさを、子どもの咀嚼力に合わせて用意してあげましょう。
苦味のような味が気になる
子どもは大人に比べて味覚が敏感で、特に苦味を強く感じることがあります。これは本能的に、毒素を避けるための反応だとされています。
無理に食べさせようとするのではなく、子どもが苦手な食材は他の味と混ぜたり、調味料で工夫するなどの対応が大事です。徐々に新しい味に慣れさせていくことで、苦手を克服していくことができます。
例えば、苦みのある野菜や食材を、甘みのある食材(かぼちゃ、さつまいも等)と合わせる方法があります。組み合わせると、苦みが緩和され食べやすくなるでしょう。
初めての食材を警戒している
1歳の子どもは新しいものに対する警戒心が強く、初めて見る食材を食べたがらないことがあります。これは、未知のものに対する自然な反応で、不安を感じることが原因だからです。
少しずつ慣れさせるために、初めての食材を一度に大量に与えるのではなく、少量から食べてもらうとよいでしょう。また、家族や兄弟が同じものを食べているのを見せることで、警戒心を和らげることもできます。
無理に食べさせようとすると、さらに嫌がることがあるので避けましょう。
1歳の偏食が続く場合の影響
1歳の偏食が続くと、子どもへさまざまな影響が出る可能性が考えられます。食事の進行が滞ってしまったり、食べること自体に対して抵抗感を持つようになることも。ここでは、1歳の偏食が続く場合の影響について見ていきましょう。
食事への移行が遅くなる
1歳の間に離乳食から幼児食へと徐々に移行することが理想です。しかし、偏食のある子どもは、食事の移行がゆっくりになる可能性があります。
1歳は、自己主張が強くなり「食べたくない!」「ご飯だけがいい!」と強く拒否することもあるでしょう。好きな食べ物の後に、新しい食べ物を勧めるなど、子どもの気分を乗せながら進める工夫が大切です。子どもが楽しみながら、食事を進められる工夫を探していきましょう。
必要な栄養が摂りきれない可能性がある
食べられない食事が多いと、必要な栄養素が不足し、体の発育や健康に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、野菜を食べないことでビタミンやミネラル、緑黄色野菜に含まれるカロテンなどの不足が問題となるでしょう。また、野菜を食べないと、便秘になる可能性があります。
栄養の偏りを避けるためにも、できる限り、日々の食事でバランスを意識していきましょう。
無理に食べさせると食事が嫌になる
無理に食べさせようとすると、子どもにとって食事の時間がストレスになりかねません。
食事が楽しい時間であると子どもは安心できます。食べてほしいという焦りが、無理強いにならないよう注意しましょう。無理強いをすると、逆に嫌がってしまい、食べること自体が嫌いになってしまうことがあります。
この時期に最も重要なのは、食事は楽しいものだと伝えることです。いつか食べられるようになる、と気楽に考え楽しみながら食事をしましょう。
1歳の偏食を克服するための工夫
偏食を克服するためには、子どもに合わせた工夫が必要です。焦らず工夫をしていくことで食事の幅を広げていけるでしょう。ただ食べさせるだけでなく、子どもが食事を楽しめることが理想的です。無理なく楽しく偏食を改善していけるアイディアを7つ紹介します。
無理強いはせず、食べられたら思い切り褒める
子どもは、親の喜ぶ姿が大好きです。苦手な食材を食べられたら、思い切り褒めてあげましょう。
一口でも食べられたら「やったー!」「すごーい!」と一緒に喜びましょう。褒められることで、子どもの食べられたという達成感や自信に繋がります。
無理強いを避け、少しでも食べられたら大いに褒めて、子どもにとってポジティブな体験にしてあげましょう。
下処理や調理を工夫して苦味を取る
苦手な食材の苦味を取るためには、調理方法を工夫しましょう。例えば、野菜は蒸したり、茹でたりして苦味を和らげることができます。
また、味付けに甘みを加えることで、子どもが食べやすくなる場合もあります。例えば、ほうれん草をクリームソースで調理したり、砂糖やみりんなどを使って甘みを加える方法があります。
調理法や味付けを上手に利用し、苦みを取って偏食の克服につなげていきましょう。
食べやすい硬さ・大きさに調整する
子どもが偏食する理由の一つに、食事の食べにくさがあります。食材のかたさや大きさを子どもに合わせて調整することが重要です。小さく切る、細かく刻む、または柔らかく煮込むことで子どもが噛みやすくなり、食事への抵抗感が減ります。
また、調理の仕方を変えてみることで、調理の仕方を変えることで、食べる興味を引き出す方法もあります。例えば、蒸したり、ポタージュ状にすることで、異なる食感を楽しむことができます。
子どもの好みに合った、かたさや大きさを見つけてみましょう。
食事に集中できる環境を整える
子どもが食事に集中できる環境を整えることも大切です。なるべく静かで落ち着いた場所で食事をとることで、集中して食べることができます。
食事中にテレビを消すなど、余計な刺激を与えないようにすることも効果的です。周囲の環境を整えることで、子どもが自然と食事に向かえるようになります。
また、1歳児の集中力はまだ未熟です。適度な時間で食事を終えることで、疲れて食べられなくなることも防げます。
盛り付けや食器を工夫してみる
子どもは視覚的な刺激にも敏感です。カラフルな食器の色や形、盛りつけ方を工夫することで、子どもの興味を引きやすくなります。
子どもの好きなキャラクターの食器を使用したり、彩り豊かに盛り付けることで、見た目から食欲を引き出すことができます。
まだ言葉が未熟な1歳の子どもには視覚的なアプローチが効果的です。お子さんが喜ぶ姿をイメージしながら、食事を楽しむ工夫をしてみてください。
大人がおいしそうに一緒に食べる
大人がおいしそうに食べる姿を見せることで、子どもも食事に興味を持つことがあります。大人の食べる姿を真似して、同じものを食べたいと思う気持ちを引き出すことが可能です。
笑顔で楽しんで食べることで、子どもも安心し、自ら進んで食べようとすることが増えますよ。まずは、家族での食事時間を楽しむことを意識してみてくださいね。
楽しい雰囲気づくりを心掛ける
家族で楽しい雰囲気で食卓を囲み、食べられる環境が大切です。「食べなきゃいけない」といったプレッシャーを感じると、子どもは緊張してしまいます。明るい声で話しかけることで、子どもの緊張をほぐし、楽しい気分で食事ができるようにしましょう。
食事の時間を家族で楽しむことを大切にし、笑顔が絶えない場を提供しましょう。また、食卓に食材を並べてみたり、食材の出てくる絵本を読むこともおすすめです。
1歳の偏食が心配…よくある疑問
子どもの偏食が続くと、心配になりますよね。しかし、大人が必死に食べさせようとすると、子どもが抵抗感を感じてしまうかもしれません。
1歳の偏食は少なくないケースですが、親としては、どう対処すればいいのか不安になることもあるでしょう。以下に、よくある疑問についてのアドバイスをまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
偏食が気になる場合はどこに相談すれば良い?
偏食が気になる場合、まずは自治体の保健センターや小児科医に相談することをおすすめします。成長や発育に影響がないか確認したり、専門的なアドバイスを得られるでしょう。
子どもの栄養が不足していないか確認し、専門的なアドバイスを得ることで、安心感を得られます。また、地域によっては栄養士による相談サービスを提供している場合もあるので、積極的に利用してみてください。
食事によって食べムラがひどい
1歳の子どもは成長過程にあり、食べムラがあるのは自然なことです。食事によって食べムラが激しいと感じる場合は、食材や食事の内容を見直してみることが大切です。
また、子どもには一時的なブームがあり、ご飯や特定のおかずばかり食べることもあります。「好きなもの」を食べさせて、興味を引いてから、「苦手なもの」を勧めてみるのも良いかもしれません。
さらに、1歳の子どもは内臓が未発達で、食べる量も異なります。焦らずお子さんの様子を見る姿勢も必要です。
食べない分をおやつ(お菓子)で補ってはダメ?
お菓子で食事の不足を補うことは避けた方が良いでしょう。特に市販のお菓子は糖分や脂肪分を多く含んでいるため、注意が必要です。もしおやつを食べるなら、おにぎりや果物、ふかし芋などの手作りおやつをおすすめします。
お菓子に依存することは、栄養が偏る可能性があるのでおすすめできません。健康的なおやつを選択し、食事とのバランスを考えながら上手に活用しましょう。
1歳の子どもが偏食する原因を考えて工夫してみよう!
1歳の時期に偏食が見られるのは、珍しいことではありません。離乳食から幼児食へ以降するこの時期は、子どもの体も食欲も変動します。
偏食は成長に伴う自然な変化だと捉えて、できる範囲で工夫しましょう。無理をせず、子どもを観察し、ペースを合わせて楽しく食べられる環境を整えることに重点を置いてみてください。
偏食は、子どもの成長と共に少しずつ減っていくものです。長い目で見て、食べられる食材を増やしていきましょう。
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