保育園での幼児食はいつから?最適なタイミングと準備について

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幼児食とは、離乳食完了後から5歳頃までの幼児の食事のことです。離乳食を食べ進められるようになると幼児食が視野に入ってきます。

では、どのくらいの大きさや固さの食材を食べることができれば、保育園で幼児食が食べられるようになるのでしょうか。
急に大人と同じような食事が取れるわけではないので、保育園では徐々に移行できるように家庭との連携を大切に進めていきます。

幼児食はいつからはじまるのか、保育園での基準や発達の目安などを現役保育士の筆者が分かりやすく解説していきます。

保育園で幼児食を始める時期はいつ?

離乳食から幼児食に移行するタイミングは、個々の子どもの成長に合わせて行われます。
保育園では一般的に、おおよそ1歳半を目安に幼児食への移行を推奨しています。ただし、実際には個々の子どもの状況やペースに合わせて、柔軟に対応しているケースがほとんどです。

移行のタイミングは、口腔機能や咀嚼の力・食べられる食材の量・アレルギーの有無など、さまざまな要素が関わってきます。

それに加え、毎日の子どもの食事の様子を観察しながら慎重に判断しています。
さらに、家庭での食事の状況も重要な要素となります。保育園と家庭での連携を図りながら子どもの様子を伝え合えば、より最適なタイミングで提供できるでしょう。

保育園での幼児食のスタート時期

1歳3ヶ月頃になると保育園では、離乳食から幼児食への移行の準備をしていきます。1歳を過ぎると、子どもの身体の成長は大きく進みます。歩けるようになるのもこの時期です。

さらに、歯と嚙む力の発達もよく観察し、移行が可能かの判断材料にします。前歯が生えそろい、かじり取って歯茎で押しつぶして食べているか、奥歯の1つ目が生えてきたかなどが基準になります。

ただし、噛む力は歯の成長に比例しますが、大人の手助けは必要です。例えばニンジンの場合、保育園ではスティック状に切り加熱した物を、子どもが自分で持って食べられるように提供します。自分の手で口に運ぶよう促し、食べる力と咀嚼力がつくように練習していきます。

練習を重ね1歳半頃に、肉団子くらいの固さの食べ物が噛めるようになってきたら幼児食への移行の時期といえるでしょう。

家庭での準備

幼児食への移行を家庭で準備する場合、子どもの成長に合わせて段階的に進めていくことが大切です。栄養を主に食事から摂取するため、母乳やミルクを少しずつ減らしていきましょう。子どもがよく食べるようになったら、メインの食事を幼児食とし卒乳に進む準備が整ってきます。

次に、幼児食を始める際には規則正しい食事を心がけていきましょう。朝・昼・夜の3度の食事を規則正しく取ることで、食事から成長に必要な栄養をバランス良く摂取することに繋がります。

また、手づかみ食べを積極的に取り入れて、自分で食べる力を育むことも大切です。手づかみ食べを通して、自分で一口を口元に運べるようになったら、スプーンなどの食器の使用にも挑戦していきましょう。

保育園での幼児食の進め方

保育園では、個々の食べる姿を尊重して幼児食を進めていきます。家庭環境や子どもの状況に応じて食事の進め方が異なるため、家庭との連携を大切にしながら幼児食へ移行している保育園がほとんどです。

ここでは、多くの園で意識しているポイント、おおまかな基準や目安を紹介していきます。

保育園とのコミュニケーション

幼児期に移行する際には、保育園と家庭との密なコミュニケーションが必要です。保育園での食事の様子や進捗状況を伝え、家庭でも同様の取り組みを行いながら連携を取ります。
例えば、次の食べ物の大きさや固さの目安のサンプルを見せて、一緒に目標を決めることも重要です。

もし、幼児食に移行して食事が進まなくなった場合は離乳食の状態に近づけたり、食材の大きさや固さを変更したりするなどの工夫が必要となります。

幼児期の移行の時期は子どもの自我の芽生えもあり、今までよく食べていたのに食べなくなってしまったり、遊び食べ、食べムラも出てきたりします。

思うように進まなくても、保育園と家庭が連携し、焦らず柔軟に対応していきましょう。ときには栄養士とも相談し、適切な対応を行うことも必要でしょう。

保育園での具体的な食事例

保育園で実際に提供されているメニューを紹介します。保育園で提供されるメニューは、子どもたちの健康に配慮して考えられたものばかり。
子どもの成長・発育を考えた栄養バランスに配慮されていたり、味や食感を楽しみながら食べたりできるような工夫が詰まっています。

今回紹介する保育園での食事は子どもたちにも人気のメニューなので、ぜひ家庭でも作ってみてください。

親子煮

親子煮は、材料に鶏肉・卵・野菜が使用されていてたんぱく質やビタミンが豊富です。そのため、子どもたちにとって、栄養バランスの取れた食事となっています。

特に卵が柔らかく調理されているので食べやすく人気です。また、卵でとじているので、野菜も一緒に摂取できる健康面にも配慮されたメニューです。

さらに、鶏肉にはたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は、成長期の子どもたちには欠かせない栄養素です。

また、鶏肉と卵と野菜という複数の食材が合わさることで、食感の違いも楽しめます。食感を楽しむことで、噛む力の練習にもつながるメニューです。

豆腐つくね

豆腐つくねはふわふわの食感と、優しい味から子どもたちに人気のメニューです。鶏ひき肉と豆腐を使用しており、栄養価も高く食べやすくなっています。

豆腐つくねのおすすめポイントは、ふんわりとした食感に加えてジューシーさがあり、うまみを感じやすいところです。また、ひじきを材料の1つにすることで、食物繊維やミネラルも補えます。

さらに、この豆腐つくねには味噌を隠し味として使います。味噌が入っていることで、コクと風味が増して風味が豊かに感じられるでしょう。

豆腐つくねは簡単に作ることができるため、忙しい日常でも準備しやすい一品となっています。ぜひ、一度家庭でも作ってみてください。

ニンジン蒸しパン

ニンジン蒸しパンは、もちもちの食感が特長のヘルシーなおやつです。ニンジンをすりおろして生地に混ぜることで、ニンジンが苦手でも食べやすくなっています。

ニンジンにはベータカロテンや食物繊維、ミネラルが含まれており、健康的なおやつに仕上げることが可能です。
特に食物繊維は腸内環境を整える効果が期待でき、便秘などの予防にも効果的と言えるでしょう。

子どもたちが野菜を苦手とする場合でも、色鮮やかなニンジン蒸しパンなら楽しく食べやすいでしょう。甘さ控えめなので、朝食やおやつにも向いています。状況に合わせて柔軟に食べることができる便利なメニューなので、家庭での食事にもおすすめです。

保育園での幼児食に関するよくある質問

離乳食を終えた子どもたちの食べる様子は、成長に合わせて大きく変化していきます。しかし、離乳食を卒業してももすぐに大人と同じ物を食べられるわけではありません。ここでは、幼児食に移行する際によくある質問や不安などに分かりやすく答えます。

保育園で幼児食があまり食べられていないときは、どうすればよいですか?

幼児食が十分に食べられていない時は、原因を考えてから対処法を試してみましょう。

例えば、歯の状態によって食べられるもの、噛み切れずに食べられない物があるかもしれません。食べずに出してしまったり、ずっと口の中にため込んでいる場合には、何か原因があると考えられます。その場合には、食材を小さく切ったり、柔らかく煮たりするなどの調理法を工夫するのも効果的です。

1歳半頃はまだ咀嚼力が発達していないため、食材の形や柔らかさによって食べられるものが異なります。食材の調理法を工夫して、食べる経験を積めるようにサポートしてみましょう。

心配な場合は、栄養士や小児科医に相談することも一つの方法です。成長段階や栄養バランスについて専門的な知識を持っており、適切なアドバイスを提供してくれます。

アレルギーがある場合、保育園での幼児食はどう対応されますか?

保育園では子どもにアレルギーがある場合、安全に健康的な食事を取ることができるよう、十分な対応を行います。アレルギーがある場合、まずは保護者にヒアリングを行います。アレルギーの症状や、それに基づいた主治医からの指示を受け取ります。受け取った主治医からの指示を基に、栄養士がアレルギーの原因となる食材を完全に除去する「除去食」や、代替となる食材を使って栄養バランスを整えた「代替食」などの対応を行います。

保育園では、アレルギーがある子どもたちが他の子どもたちと同じように楽しく食事を楽しめるよう、各施設で十分な配慮がされています。また、万が一の緊急事態に備えて、保育士や職員はアレルギーの症状や対応方法についての研修を受けています。

安心して食事ができるよう保育園では環境が整えられているため、不安があれば遠慮なく伝えてみましょう。

保育園で幼児食に進むタイミングと進め方を知っておこう!

幼児食に進むタイミングや進め方は、個々の幼児の発達段階や家庭の状況によって異なります。一般的に保育園では1歳半頃から幼児食に移行する場合がほとんどですが、個々の発達の状況や食事の進み具合によって配慮して進めるのが一般的です。

そのため、保育園と家庭で密に連携を取ることで、幼児食への最適な移行のタイミングを見極められますよ。子どもの個々の発達段階や状況に合わせて、焦らずに幼児食への移行を進めていきましょう。

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